『八尾のお逮夜市』は 100 年以上続いてきた露店市ですが、その歴史的な背景の正式な文献は無く、その由来は定かではないですが、古くは、久宝寺御坊(顕証寺)から八尾御坊(大信寺)に至る沿道一杯に、毎月11日と27日にさまざまな物資(衣類・食料品をはじめ生活用品はいうまでもなく苗物、大工道具、農機具、古着、荒物、雑貨品など)を商う露店が立ち並び、「ここで揃わないものはない」と言われるほど賑わった「八尾の名物市」で、のぞきからくりなどの芸ごとまで行われており、今でいう“フリーマーケット”のようなもので、河内一円はおろか大和方面(奈良県)からの買い物客で賑わっていたそうです。27日は浄土真宗の宗祖親鸞聖人の逮夜(仏教語で命日や初七日、四十九日、一周忌や三周忌などの忌日の前夜を指し、「次の日に及ぶ夜」と言う意)にあたり、この両日に、八尾と久宝寺の両御坊で行なわれていた法要に集まる参詣客目当てに開かれた市が、その名の起こりだといわれています。また、11日については、顕証寺の初代住職実順の命日(三月十一日)と関係しているとの説や、親鸞聖人直弟子で同寺開基の信願房法心の逮夜であるなど諸説があるようです。